ニュース

「ニュース」のページでは、展覧会情報、テキスト等についてお伝えします。

【展覧会情報】
(2023.02.01)

王羲之・蘭亭序に関する展覧会の開催が東京国立博物館と書道博物館にて始まりました!
事前に必ず博物館のホームページで休館日、開館時間等を充分に確認のうえ、足を運びましょう。また、展示替えがあるので、事前に確認しておきましょう。


◉東京国立博物館 東洋館8室

「王羲之と蘭亭序」
2023年1月31日から4月23日まで

展示作品には定武蘭亭序、淳化閣帖、停雲館帖をはじめとする王羲之の法帖の数々、それから明清代の書家による王羲之を臨書した作品などが展示されるようです。
生徒さんのKさんから「先生近々王羲之展がありますね!今年は蘭亭序を臨書していきます」とお話がありました。私も見に行きたいと思っています。

・東京国立博物館
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2557



◉台東区立書道博物館

東京国立博物館・台東区立書道博物館連携企画
「王羲之と蘭亭序」
2023年1月31日から4月23日まで

・台東区立書道博物館
https://www.taitocity.net/zaidan/shodou/



【書籍情報】
(22.12.27)

『日経ウーマン』1月号

現在発売中の『日経ウーマン』1月号はペン字の「美文字練習ノート」が付録です。同誌にて練習帳が付録になるのは久しぶりでしょうか。内容は以前と変わらないような気もしましたので、以前の物をお持ちの方は買うなら要注意。雑誌の値段がそれなりにするので、他のしっかりとしたペン字用テキスト(※)を1冊購入する方が良いのかなと思いますが、大判で書き込み練習したい方や、そもそも雑誌の内容が気になる方は見てみてください。
次の号が1月7日発売なので、気になる方はお早めに書店にてご確認ください。

※ペン字用テキストでおすすめ
鈴木啓水先生(ユーキャン発行のもの含む)、日本ペン習字研究会、日本習字普及協会発行のテキストがおすすめです。


【展覧会情報】
(2022.10.10)

ふたつの展覧会情報を掲載します。
必ず会期や休館日等について公式ホームページをご確認ください。


開催中!
「李禹煥」

2022年11月7日まで
六本木・国立新美術館

李禹煥の大規模な回顧展。石という自然の素材を用いた作品を中心に、埼玉県立近代美術館で所蔵されている作品「線より」も展示されていました。私は特にこの埼玉近美蔵の作品「線より」が好きで、まるで書の起筆にも似た外形の線に目を奪われます。空間や余白の意味について考えさせられる展覧会です。



開催予定!
東京国立博物館創立150年記念
特別展「国宝東京国立博物館のすべて」

2022年10月18日から12月11日まで
上野・東京国立博物館 平成館
※事前予約制のため必ず公式ホームページやツイッターの確認を!

東博所蔵の国宝89点すべてが公開されるメモリアルな展覧会。
書関連の作品の中では下記の作品に注目したい。
「智証大師諡号勅書」小野道風
「白氏詩巻」藤原行成
「秋萩帖」
「元暦校本万葉集巻第一(高松宮本)」伝藤原行成

※展示替えがあるので、見たい作品の展示日を必ず確認して事前予約する必要がある。




【作品制作する上で大事な準備】
(2022.09.15)

①題材の意味を知る
題材とは、作品で書く言葉のことです。中筆で臨書する場合は古典の語句で、仮名の場合はたとえば万葉集や平安・鎌倉時代の和歌になります。テキストに訳が載っている場合もありますが、自分が書く詩句の意味は調べておきましょう。他者に説明できるほどに自分の中にその詩句を浸透させておくと、練習もまた変わります。

②拡大手本、下敷きを作る
これは主に中筆臨書の方へ向けてなのですが、古典のテキストを拡大コピーして、自分の書く文字の大きさに近いサイズの拡大手本を作りましょう。また、半紙に赤線で文字の枠を書いたものを作ります。こういったこと以外にもひと手間かけると必ず自分の文字が変わります。そしてこういった小さな作業にその人の作品制作への意識が表れる気がします。

③家で飾る
練習した半紙を家で目線の高さに飾りましょう。より練習したいところが見えて、次の練習に活かすことができます。

④自分の文字を大切に思う
練習していくと自分の文字が頼りなく思えてくるものです。これは練習して自分の目が厳しくなっている証拠であり、成長している証拠でもあります。そんなときに、「あ〜私の文字ってだめだな〜」と漠然と思うのではなく、先生が褒めてくれたところを大事にした上で、自分の文字を眺めてより具体的に、「ここをもっとこう書いてみよう」「もっと練習してみよう」と前向きに考えてみましょう。
昨今、自己肯定感というのが話題になっていますが、書道において、ただ自分を肯定するのでは自分の文字は一向に成長しません。
だからといって、悲観したり自分を卑下しようとするのではありません。自分の現状を受け入れて、一歩一歩進んでいこうとする気持ちでいることが良いのだろうと私は思っています。自分の文字を見て、「足りないことがわかる」ということが大事です。
書の世界は厳しく長い道のりです。百歳近い先生方もずっと書の美を追い求めて練習しています。もっともっと自分の文字を見て、大切に思って、練習していきましょう。


【おすすめの筆屋について】
(2022.08.19)

筆は自分の相棒でもあり味方でもあり、大事な存在です。
私は幼稚園の頃から大学生まで習字教室に通い、主にその習字教室が推奨する筆を使ってきました。その後、大学院に入る前に今師事する先生に出会えたのですが、入門時に先生から頂いた筆が「一休園」の赤い軸の筆でした(写真左の一番左)。先生が一休園に注文して作った筆で、軸径は細めで、軸に先生の名がほられています。私にとって思い出深い大切な一本です。

先生の影響もあって、購入する筆(中筆用)は一休園と玉川堂が多くなりました。
下記におすすめの筆屋を書きましたが、良質の筆は書きやすく、自分の文字を盛り上げてくれる力があるように感じます。

⭐︎中筆でおすすめの筆屋
・一休園(広島県熊野町。伝統工芸品の熊野筆)
・玉川堂(ぎょくせんどう。東京都千代田区)
・久保田号(広島県熊野町)

⭐︎仮名の筆でおすすめの筆屋
・仿古堂(ほうこどう。広島県熊野町)
・龍枝堂(りゅうしどう。京都府)

そして、教室でよく「どんな筆を買えばいいか分からない」と聞かれます。教室ではまずは鵞毛堂の筆(中筆なら蘭)をおすすめしていますが、2本目以降購入する際には、下記を参考にしてみてください。

・自分の持っている使い勝手のよかった筆の「穂長と穂径」を測り、似たサイズのものを買う。
(これは毛質も同じであれば大体似たような書き心地になります。柔らかい毛にすると線が細くなることもあるので注意です。)

・なんでも買って試していく。
(握力、クセにより、合う筆は個々で異なります。できる範囲でなんでも試すことが大切です。)

教室では鵞毛堂(浦和)もおすすめしています。比較的近い所に筆屋があるのは幸運で、書の世界を体感できる貴重な場所です。実際に足を運び、さまざまな筆を見て、買うという体験をしてほしいと考えて、おすすめしています。


ご紹介!【ペン字で使えるテキストと用具】
(2022.08.19)

ペン字をお家で練習したい方におすすめの2点をご紹介します。ペン字のテキストも玉石混淆。買う際は著者・出版社で選ぶことが大事です。

⭐︎ペン字でおすすめの著者・出版社
・田中鳴舟先生、石川芳雲先生、鈴木啓水先生
・日本ペン習字研究会、日本習字普及協会
上記から選ぶようにしてください。


①『ペン字・筆ペン基本レッスン帳』
監修・鈴木啓水、朝日新聞出版、本体1,000+税

ユーキャンのペン字と書道のテキストも執筆されている鈴木啓水先生監修の一冊。書く上で大事な基本姿勢、基本的な点画の書き方が丁寧に解説されています。時間のある時にパラパラと読むだけでも勉強になります。書き込みするスペースは無いので、テキストをお手本にマス目のノートに練習するのがおすすめ。

②『bimore ビモアセット』
ゼブラ、1,000+税

文房具会社のゼブラが発売した「ビモア」というペン先がしなるボールペンと、文字を練習できるメモ帳がセットになった商品。メモ帳のほぼ半分の54ページがアドバイスを見ながら練習できるようになっています。